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妊産婦さん必見!腹横筋の理解とエクササイズのやり方

産後リハビリで「骨盤底筋群」と同様に大切なのが「腹横筋」です。
妊娠出産で引き伸ばされた腹横筋は、産後の状態をしっかり把握した上でリハビリを開始することが大切です。
まずは腹横筋がどこにあって、どのような働きをするのかを理解していきましょう。

リハビリの際は、筋肉のイメージが掴めているとより効果的が出やすいですよ。

腹筋群の解剖学


腹筋群は深層から「腹横筋」「内腹斜筋」「外腹斜筋」「腹直筋」の4つに分けられます。
この中でも特に産後リハビリで大切なのは一番深層にある「腹横筋」です。
この腹横筋は呼吸筋として骨盤底筋群と連動し、腹腔内圧を正常に保つことで体幹を支えるコルセットの役割を果たしています。
そのため腹横筋が上手く働かないと腰痛を起こしたり、産後の骨盤がいつまでもグラグラした状態が続いてしまいます。

腹横筋リハビリ

腹横筋エクササイズを始める前に…

一般的に産後1か月は身体を動かす運動は控えましょうと言われていますが、呼吸を使った腹横筋エクササイズは産後間もなくから開始することができます。

しかし妊娠中、知らないうちに「腹直筋離開」が起こっている場合があるので、この際は要注意です。
まずは腹直筋離開について知っておきましょう。

腹直筋離開とは、左右の腹直筋を中心で繋ぐ「白線」という部分から腹直筋が左右に裂けてしまうことです。
妊娠中に引き伸ばされ、耐え切れずに裂けてしまうことがあります。
どんな妊婦さんでも起こり得ることですが、離開の程度によっては産後すぐにリハビリを開始できないことがあるので注意が必要です。
特にお腹を大きく膨らませる腹式呼吸の動きは腹直筋離開をさらに悪化させることにも繋がりますので、産院の医師や、妊産婦の体に詳しい専門家に相談してから行ってください。

腹直筋離開については下記の記事で詳しく解説しています。

腹直筋離開ってなに?どうすれば治るの?

腹横筋エクササイズの詳しいやり方

腹直筋離開が無い方はさっそく腹横筋のエクササイズを始めていきましょう。
では腹横筋のエクササイズはどのようにして行えば良いのでしょうか?
先述した通り、腹横筋は「呼吸筋」です。
特に腹式呼吸をすることによって腹横筋はしっかりと働きます。

私は産後の入院中から腹横筋エクササイズを開始していました。
寝たままできる腹横筋エクササイズですが、やり方を間違えてしまうと腰痛や股関節痛を引き起こす原因となってしまいますので、十分に注意して行いましょう。

レベル1(産後間もなく~産後1か月程度)

1.仰臥位になり膝を曲げる。このときウエストラインがしっかり床についているか確認しましょう。
2.手はリラックスして楽な位置へ。または腹横筋の動きを感じるためにおへその左右に軽く手を置いておきましょう。
3.鼻から息を吸って、下腹部に空気を入れるイメージで膨らませましょう。
4.口から息を吐いて、下腹部に溜めた空気をゆっくり『ふぅ~っ』と吐き出します。

レベル2(産後1か月~産後3か月程度)

1~2はレベル1と同様
3.鼻から息を吸って下腹部を膨らませると同時に、ウエストラインを床に押し付けるようなイメージで骨盤を後ろへ傾けます。このとき、仙骨の下部が床から離れ、坐骨が天井を向くような状態になります。
4.口から息を吐きながら骨盤を元の位置に戻します。

レベル3(産後3か月~6か月程度)

1~2はレベル1と同様
3.レベル2と同様に息を吸いながら骨盤を後ろに傾けます。このとき腰椎が完全に離床し肩甲骨あたりが支点となります。
腹横筋は骨盤底筋群、内転筋群、臀筋群と連動するため、膝の間にボールを挟むなどして、内転筋群や骨盤底筋群の収縮を感じながら行うとより効果的です。
このとき、お尻を持ち上げることを意識しすぎると腰が反り過ぎてしまい、腰痛の原因になることもあるので注意が必要です。
4.口から息を吐きながら、腰から順に床に着くように骨盤を元の位置に戻します。

レベル4(産後半年以降)

1~3はレベル3と同様
4.動作自体はレベル3と同様になりますが、息を吐くときに下腹部が凹んでしまわないように、腹腔内圧を維持したまま動作を行います。
息を吐くときにお腹が凹まないようにするにはなかなか難しいですが、ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

腹式呼吸自体は「息を吸ってお腹を膨らませる、息を吐いてお腹を凹ませる」いわゆる『ドローイン』というやり方が一般的です。
お腹が凹んでいても膨らんでいても腹腔内圧を高めることはできますが、お腹に空気を溜めて膨らませている状態が腹腔内圧が高まり、体幹が安定するイメージの方が持ちやすいかもしれません。

中身の入っていない空のペットボトルを想像してもらうと分かりやすいですが、ペットボトルの中に空気がパンパンに入っている状態だと、ペットボトルを潰すのは難しいですよね。
逆に、空気を抜いてしまえばペットボトルは簡単に潰れます。

この、「ペットボトルに空気がパンパンに入っている状態」が腹腔内圧がしっかり高まっている状態です。
レベル4は、この状態を常に維持したままエクササイズを行うということですね。

ここまでできると自然に生活している状態でも腹腔内圧を保つことができてくるので、腰痛になりにくかったり、かがみ動作や荷物を持ち上げる動作も腰にかかる負担を軽減できるようになります。

レベル4はアスリートリハビリでも取り入れられている腹腔内圧維持のトレーニングになりますので、産後の大きなダメージを受けた腹横筋をここまでできるくらい回復するには時間がかかります。
焦らずゆっくり時間をかけてリハビリしていきましょう。

産後すぐから時間をかけて地道にリハビリを継続することによって、産後のホルモンバランスが落ち着いてくる頃には骨盤の不安定性が改善されたり、くしゃみや咳による尿漏れが改善されることが期待できます。

妊娠出産による身体のダメージは大きいですが、諦めずにリハビリを頑張っていきましょう!

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